調子の悪い時その2
調子の悪い時 その2
どんなに頑張ってもまったく成果が上がらないというケースがります。いったいどうしたらいいのでしょうか。
ここでも、一人の生徒さんのエースを紹介していきます。
Sさんという女の子でした。夏休み前に入塾してきました。かわいらしい女の子で、ちょっと人見知りをする生徒さんでした。
Sさんは特に英語と数学が苦手でした
。夏休みを制するものは、受験を制するとよく言いますね。そこで、私はSさんに夏休み中、ずっと毎日塾に通って、90分授業を2回ずつ受けるようお母さんに提案しました。どうしても地元の高校にいれたいお母さんは、いちもにもなく承諾してくださり、それからSさんは毎日の塾通いが始まりました。
陸上部で鍛えた精神力で最初のうちは黙々と取り組んだのですが、夏休みも中盤に差し掛かったころにはすっかりぐったりしてしまい、これはいかんと思いました。
ジレンマがやってきたのです
。どんなに英語を教えてもらっても、すぐ英単語を忘れる、文法を忘れる、どんなに数学を頑張ってもすぐ、公式を忘れるというひじょうに気の毒な女の子でした。私はこのまま夏休みをずっと塾で勉強させても意味がないと決断し、お母さんに少しSさんの好きなことをやらせてくださいとお願いしました。
お母さんは最初はどうしてそんなことを言うんですかと半信半疑でしたが、高校教師歴10年、学習塾塾長5年のキャリアを持つ私の言葉を信用するといってくれました。
SさんはいわゆるV系が好きでした
。特にシドというバンドの熱狂的なファンで、常にライブで買ったグッズのバッグを持っていました。Sさんは塾から解放され、毎日シドの曲を聴くばかりの暮らしを始めました。なんといっても塾長のお墨付きがもらえたのですから、お母さんも特にうるさく勉強勉強といわず、好きにさせてくれたようでした。夏休みがあけて、Sさんはまた、週に2回塾に通ってくるようになりました。そのとき、「先生、ありがとうございました」とぺこりとお辞儀をしたのを覚えています。
よっぽど嬉しかったのだなと思い、私もシドの曲を聴きはじめました。すぐに意気投合し、貸しがどうたらこうたら、ライブがどうたらこうたら語りあいました。
これはシドをエサに釣ったほうがいいなと感じた私は、お母さんにある提案をしました。もし、高校に合格が可能となった時には、シドのファンクラブに入らせたらどうですかと。
この上、ファンクラブにまで?とお母さんは最初難色を示していましたが、本人のSさんがすっかり乗り気になったため、しぶしぶ承諾してくれました。
それからのSさんの勉強ぶりはすごいものがありました。自分がすぐに英単語を忘れることを自覚できたので、常に単語帳をポケットにもって歩くようになり、学校でトイレに行ったときなどもその単語帳を開いて確認するのだと教えてくれました。
思い切り遊んだおかげですっきりしたSさんは、高校に合格したらファンクラブに入れるという一心で猛勉強をはじめました。
最初英語の偏差値が44だったのが、10月には50をマークするようになりました
。さらに数学も伸び始め、最初は偏差値39だったのが、同じく10月には48をマークするようになりました。
どうしてもファンクラブに入りたい、その一心で勉強したSさんは見事、念願の合格を手に入れました。同時にファンクラブにも入り、シドのライブにも行きました。何か勉強するときに、勉強自体はあまり好きではないという人には、急速と飴が必要です。
Sさんの場合には、これがてきめん効きました。
こんなやり方もあるのです。ぜひ参考になさってください。
2012年01月02日




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